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「日常生活で脳を閃かせるにはどうすりゃいいんだ?」を考えてみる
久保田達也のどうすりゃいいんだ
 今回は日常生活を改善するだけで、"閃き"の能力をアップする手法をご提案しようと思う。

 閃きは何か新しいことに関心を持つことが引き金になる。いわゆる幼児が初めて見る物事に関心を寄せて、喜んでいる状態と同じだ。では、どうするのか。それには「アウェーに出ること」である。

 我々のような大人は、マンネリ化した日常では関心を寄せるような"ワクワクドキドキ"がなくなっているので、閃きが起きにくい。そこで小さなことでいい から未知の体験をすることで、脳細胞の呼び覚ましを計る努力が必要となってくる。そのワクワクドキドキがビジネスアイデアを出すことにつながるからだ。

 「アウェーに出る」とは、違う環境に身を置く事だ。人はいつもと違う環境に遭遇すると五感を活発に動かして、そこが何かを知ろうとする。その能力を呼び覚ましてやるのだ。

 参考になる実験がある。密閉された真っ暗な空間から脱出するゲームだ。30分ほど視覚以外の4感を使って脱出を計る。しかし、その空間から外に出て視覚 を取り戻しても、敏感になった4感の情報収集能力はしばらく自分の感覚に生かされている。今までその環境にいながらそこで気づかなかった物事を、あらため て次々と発見して驚く。

 我々の生活環境においてアウェー体験、できれば遊びながらアウェー体験できれば、発想能力を訓練できる。日常のアウェー体験で一番簡単なのはと考えてみると、通勤経路を変えてみることが考えられた。つまり寄り道だ。

 どう変えるかは別段決めなくてもよく、風の向くまま気の向くままでよい。できれば毎日変えてみる。面白いと感じ始めたら好奇心が芽生える発想脳にギアが 入ったと思っていい。好奇心で満ちた脳は道だけに関心がいくのにとどまらない。人、建物、イベント、空、商店など、ありとあらゆる世界を対象としたジャン ルに関心ごとが広がってゆく。

 では毎日通勤経路を変えるとどうおもしろくなっていくのか、を考えてみよう。例えばウィンドウ・ショッピングだ。商店街を奇麗に飾られた新商品を見なが ら歩くのだ。別に買うわけではなくただ見て歩く。「これは誰が買うのだろう」「これはどんな人が着るのだろう」「これはどんな人が考え出したのだろう」な どと商品の秘めるなぞときをしながら歩くのだ。これをやると店舗アイデアや新商品アイデアを考案する実践的アイディア力が身に付く。これをフィールドマー ケティングという。

 当然、店には訪問客がいるわけで、シャーロックホームズのようにその人物像を怪しまれないように一瞬で観察する。「この人はこの新商品をどのように使うのだろう」「この人のライフスタイルはどんなだろう」などを瞬時に推測してみるのだ。身なりや仕草から意外とわかるものだ。これをマンウォッチングといっ てライフスタイルの動向や新商品動向、新店舗動向など世の中の新しい流れを洞察できるようになり、アイデアの先取りに結びついてゆく。

 アイデアは他人の発言ではなく自分の日常に存在している。意識を変えるだけで身の前に見えている物事からいままで考えもしなかった何かが見えてくるものだ。見えているはずなのに脳が認識しないことをスコトーマ(Scotoma、盲点を表すギリシャ語)という。

 こんな技術者(スマホの新製品開発担当)の話がある。ある家電品メーカーに勤める技術者が携帯売り場をリサーチをしていると、女子高校生や若いOLたちがiPhoneの新製品を手に取りながら「かわいい」と連呼している。何故だろうと話を聞いてみた。

 彼女たちが「かわいい」とと言っているのはiPhone製品そのものでもモニター画面に映っているアニメキャラクターでもない。音声付きアニメ動画のス トーリー、会話、効果音がかわいいと言っていることだと気づいた。そのとき彼は物や機能ばかりに新しさを追求していた自分に大きな見落としが合ったのに ハッとしたという。そこで"動画のストーリーを見やすくする"工夫をスマホの次期最重要コンセプトとして取り組み始めたところ、テスト商品のモニター調査 では好評だったそうだ。

 このように、通勤経路を変えるだけ、寄り道を楽しむことだけで、脳は閃きを取り戻す。ただし肝心なことは道を変えて面白いかどうかではなく、面白くしようとする意思にある。

 ためしに、今回記事にしたキーワードをマインドマップにしてみた。ところが、以下のように、なんだかわけのわからぬ図になってしまった。



 そこで、実際の日常マーケティングを記載することにした。


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連載タイトル/掲載紙久保田達也のどうすりゃいいんだ
「脳を閃かせるにはどうすりゃいいんだ?」を考えてみる・その2
 以前もこのコラムで紹介したが、最近は「なぜ人は閃くのか?」にとにかく興味が沸いている。あれこれ考えてみてもいるのだが、ここはやはり専門家にいろいろ尋ねたい。ということで、玉川大学脳科学研究所の岡田浩之教授に脳科学の世界では閃きをどう捉えるのか、取材させていただいた。

「脳はわからないことだらけで知れば知るほどわからないことが出てくるんです。遠い将来まで未知の研究テーマだと思いますね。だからずーっと研究していられるわけですが・・・」と、脳とは○○であると断言してしまうテレビタレントみたいな脳科学者とは違い、学者らしい学者な人だという印象を受けた。

 まずは"閃き"とは何かを脳科学ではどうとらえるのか聞いてみた。

「赤ちゃんは始めて見たものに興味を示します。そしてすぐに飽きる。飽きるからまたすぐ新しいものに興味を示せる。その繰り返しをしているんです。要するに赤ちゃんは常に閃いているんです」。

 赤ちゃんの脳は調べれば調べるほど大人よりすごいと驚くべき神秘が次々に発見されているのだそうだ。言語の吸収能力でいうと、例えば、日本人の赤ちゃんでもLとRの子音の違いがわかるが、大人になるとできなくなってしまうのもその一例とのこと。

 なるほど我が輩が英会話にいくら通ってもいっこうにヒヤリングができるようにならないわけだ。ましてさらに子音の発音が多い中国語を学ぼうなんてことはいまさら無理だと都合のいい言い訳ができた。 

「赤ちゃんは好奇心というか雰囲気を読む能力が極めてすごい。大人の何倍も空気を読んでいるんです。あんな小さい体で自分の持てる機能すべてを使って、周 りのすべてに対して敏感なアンテナを張り巡らしているんです。ノベルティ・プレファレンス(Novelty preference)といって"目新しさへの関心"で脳が全開しているわけです」。

「過去の情報をすべてを白紙にして、見たまま感じたままに注意を払うのが幼児知能です」。

 それはすごい。もしその能力をビジネスに結びつける事ができたら画期的な大ヒット商品を発明するに違いない。しかし、我々が赤ちゃんだったころは閃きの天才だったのにノベルティ・プレファレンスはどこへいってしまったのだろう? 

「天才脳の赤ちゃんと言えども、これを四六時中続けていると疲れて注意力散漫になる。だから大人になるに従って、いちいち全部に関心を寄せなくてもすむよ うに、こういう時はこういうものだと覚えるようになる。当初はアウェー体験知識の集積の繰り返しで脳内にいろんな知識の引き出しができて、引き出しにある ことはパスすることで疲れないようにする。つまり手抜きを覚えるわけです。しだいに引き出しが増えれば、こういうときはこういうものだ知識ができる。これが社会適応能力の正体です。しかしその反面、見たまま感じたままに注意を払う感性はだんだん鈍化してゆく」

 なるほど大人になればなるほどサボることを覚え、怠慢になり目新しい事への関心などという面倒くさいことはしなくなっちまっているわけだ。年を取るほどに脳は老朽化する。なんだか「アルジャーノンに花束を」みたいで悲しい。



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連載タイトル/掲載紙日経BP Tech-On連載 / 久保田達也のどうすりゃいいんだ
「数学を知的な発想に生かすにはどうすりゃいいんだ?」を考えてみる

 「じゃあ、どうすりゃいいんだ」の一つの解答に数学的思考能力の復活がある。

 100年に1度とか、10年に1度とかが幾重にも重なる時代、などと言われる前代未聞の環境下においては、参考事例がないため簡単には打開策が見いだせないのは当然だ。自力で考え出さねばならない、ということだ。それをしなくなったのはインターネットで検索すればそこそこの解答が得られる情報化社会の落とし穴とも言える。

 そんなことをつらつら考えていると「人は考えればたいていのことはわかるようになるものだ」と口癖のように言っていた御仁を思い出した。恵藤洋治氏その人である。株式会社ワコムの創設者でありタブレット技術の世界特許を数多く取得した成功者である。

 その成功者が「考えればわかるのが数学だ」と言う。何を隠そう大の数学好きで四六時中数学の教科書、三角定規、コンパスを鞄に持ち歩いている。山中湖の別荘には大きな黒板が設置されており、現役を引退した今はそこで数学問題を解くのが何よりも楽しいのだそうだ。2度ほど持論の数学講義を聞いたがおもしろくて時が経つのも忘れて聞き入ってしまったほどだ。

ということで、今回の連載はこの先が見えない問題を数学的思考で解く能力について描いてみた。

とことんまで考えてみる

 恵藤氏の数学講義をご紹介しよう。「まず答えを見ないで何日間かけてもいいから自力で問題を解いてご覧なさい」と、恵藤氏から出された問題の第一弾は「三平方の定理を証明せよ」である。

 ご存知の通り「直角三角形の斜辺の二乗は他の二辺の二乗の和に等しい」は中学校で習う。これを証明せよという問題だが、読者の方々にはぜひ何日間かけてでもこの証明問題を誰にも聞かず、解答を他から入手することなく自力で解くことに挑戦していただきたい。

 小生の場合、解ければ自分には時代を打開するための思考力はある、解けなければその能力はない、解答できたら勝ち、がまんできずに答えを見てしまえば負け、と決めて、決死の覚悟でアタック、なんとかその日のうちに解答をねじり出した。

 その安堵と爽快感はいうまでもない。そして、恵藤氏はこうした達成感を体験することがとても重要で、現在の教育にはこれが足りないと警鐘を鳴らすのだ。

 さて読者の皆さんは、自力で解答を得られたと仮定して話をすすめよう。

 この文章を読む人には三種類いる
(1)問題を解こうともせずにそのまま読み進んだ
(2)いろいろな理由であきらめた
(3)解答できた

 Wikipediaには答えがある。証明を図解アニメでわかりやすく解説しているので見れば「なーんだ」となるはずだ。

 しかし「どうすりゃいいんだ」を解決する能力を磨くには、問題を自分で何時間も何日も考え抜いて自力で答えを見いださなくてはならない。試しに二人の学 生に協力してもらい、A君には答えを見せ、B君には自分で正解が出るまで考えさせた。そして10日経った後に、再びA君とB君に同じ三平方の定理の出題を したところ、A君は答えられずにギブアップ、B君はテーブルナプキンとペンを使って図形を描き、楽しそうに解説した。さらに「他にも証明する方法はある」 というと即その場で思考し始めた。

 解答のヒントは“四角形と三角形の回転にある”のだが答えは幾通りもある。(1)相似を用いた証明(2)正方形を用いた証明(3)幾何学を用いた証明などであるが、恵藤さんはこの証明問題を愛用の三角定規とコンパスを使って解説してくれた。

 「これは人類最大の発明です。模型を見ながら問題を解くとわかりやすいが、その模型はこの三角定規とコンパスがあればたいていのものが作り出せるんです」。



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連載タイトル/掲載紙日経BP Tech-On連載 / 久保田達也のどうすりゃいいんだ
「優秀な日本製品を世界に売るにはどうすりゃいいんだ?」を考えてみる

 ここのところ,ずっと考えていたのは,「日本製品は優秀なのだから世界に売れるはずだ」ということ。もちろん,これまでもいろいろな企業からコンサル ティングなどの依頼を受け,世界に売るための手段を自分なりに考えてきた。でも,これまでは世界に進出しようとすると,それなりの覚悟も必要だったし,費 用も必要だったし,専任の担当者も必要だった。

 今我が国にはインターネットがある。世界を見渡すとまだまだインターネットを企業がこれだけ使いこなしている現状はあまり類を見ない。これを使わない手はないだろう。

 改めて言うまでもないがインターネットの特長は“世界につながる”ということで、この利点を販売に使えば日本に取って有利に働く。その理由として世界の市場にインターネット・ショッピングを通じて日本製品を売ると考えればいろいろな日本の弱点がカバーできる。

(1)単一民族である我々は奥ゆかしさはあるが開けっぴろげの外交が不得意で異国の文化にも馴染みがない。しかしショッピングサイトにおいてはそれらを関係なしに“商品のすばらしさ”を直接,世界の消費者に紹介することができる。
(2)単一言語文化の日本人が英語や外国語に不得意なのは周知の事実。しかし商売と割り切って買う買わない程度のやり取りなら“無料自動翻訳サービス”で充分だ。
(3)国際展示場などにおいて控えめな日本の国民性を持つ営業マンは、ハッタリをかました外国人営業マンには見劣りする場合が多い。しかし見ただけではわ からない商品の性能は,ホームページで図解,写真,映像など“見える化解説”をすることで他国との技術的優位性と安全性を大きくアピールできる。

 こう捉えれば,国際級インターネット流通販売に取り組むことは日本製品を世界的に売るために願ってもない流通システムのはずで,民族,国別,言語,文化の違いに関わらず世界市場を舞台に流通のフラット化をもたらすはずなのだ。

 そう考え,まだまだ未整備の段階ではあるが国際級インターネット流通販売の現状把握と成功への使い道を模索することにした。

アリババをまず研究する

 そんなことを考える中で,インターネット・ショッピングといってまず頭に浮かんだのはアリババ。 アリババといっても,もちろん千夜一夜のアリババではない。多くの方がご存知だと思うが,アリババは,電子商取引のマッチング・サイト「アリババ・コム」 を運営することで,この10年間に急成長した中国の会社だ。昨年からは,主には日本の中小企業を世界のバイヤーに紹介するために,日本語におけるサービス も本格的に開始している。

 この半年間は,日本の製品を世界で売るために,という観点から,時間があればアリババのサイトを覗いていた。サイトの構造を勉強するため,そして一攫千金を狙っている世界中のサプライヤーが,どのようなものを売ろうとしているのかを探るためだ。


 覗きはじめた当初,品揃えの豊富さには確かに驚いた。だが冷静に見ていくと,ただ商品数がたくさん並べているだけで,商品ぞろえにどうも魅力を感じな い。当たり前のようだが,マーチャンダイジングが考えられていないようだった。大国中国の大陸文化だからだろうか,この雑さは日本のバイヤーには通用しな い。消費者ニーズにあった仕入れや商品構成など,マーケティング管理されてないように見受けられた。実際に何か買ってみようと好きなアウトドア商品を見渡 したが,コレといって欲しいという品物はなかった。

 そこで,とりあえず会員になって,メールマガジンに記載されている商品情報を閲覧していた。さすがに日本市場開拓を意識してか,月を追うごとに改善が急速に進み,そして徐々にだが魅力的な商品が増えてきたように思った。

 アリババへの関心は非常に増し,イベントに出展している際にブースで話を聞いたり,アリババのマッチングサイトへの契約を検討している知り合いにインタビューをしたりなどで,情報を集めた。内容をまとめると,

・海外との商取引の一つの手段であるインターネット・ショッピングは,日本での活用は現在は未成熟。ただ,今後のブレイクが期待できる。
・中国市場の活性化はウォールマートとIKEAの成功がきっかけで,これがアリババドリームの引き金を引いた。ただし,中国人が世界にはばたこうというハングリーさは日本人の非ではなくケタ違いの意欲である。
・基本的な取引はBtoBであり,BtoCは今後の可能性を大きく秘めている市場である。
・日本の中小企業にはサプライヤーとして無限の可能性。ただし,経営管理職は英語が苦手で,しかもパソコンやインターネットが嫌いでやる気がないという現実がある。
・商品写真や商品解説内容の更新が日常化されていないと,成功には結びつかない
・なによりもコミュニケーション,交渉ができなければ商談は成立しない。そのコミュニケーション能力が高いハードルになっている。例えばインターネット・ ショッピングの場合は顧客からのメッセージにこまめに返信する必要があり,そのレスポンスの早さが鍵でもあるがメールが日常化していないと客とのやり取り が進まなくなり,フェードアウトしてしまう。
・アリババでは,月額5万円らサービスをしており,英語や現地語の返信サービスといったオプションもある。その他業務代行や英訳を含めたコンサルタントサービスを展開しているが,業務を任せっぱなしでは進まないのが現状である。
・BRICsには良く売れる。

 こうやって話をまとめると,とにかくインターネット・ショッピングに進出しない手はないように思えてきた。

巨大市場・中国の攻略法を専門家に指南

 しかしいざインターネット・ショッピングを始めよう,世界にチャレンジしよう,といっても,各国の事情はばらばら。ここはターゲットを絞る必要があるだ ろう。そしてモノを売る,といったら,今はやはり中国。多くの中国人観光客が日本に訪れ,そしてデパートなどで大量に買い物をしている報道などを見るにつ け,彼らの琴線に触れるものを提供すれば,大ヒットにつながる可能性があるのではないだろうかと思える。

 とはいっても,なじみのない巨大な中国市場をどう狙ったらいいのだろうか? そこで,「中国人に売る時代!」の著者であり中国進出のコンサルティングなどを手掛けている中国市場戦略研究所代表の徐向東氏に話を伺った。


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連載タイトル/掲載紙日経BP Tech-On連載 / 久保田達也のどうすりゃいいんだ
「脳を閃かせるにはどうすりゃいいんだ?」を考えてみる

 ビジネスはアイデアから始まる。そのアイデアとは脳が閃いたことを意味する。では脳が閃くとはどういうことなのか?

 脳の働きはまだわかっていないし、人が何かをしようとしたときに脳がどう活動したのかは、複雑な要因が絡みあって意思決定しているため、閃きだけのメカニズムを見極める事は難しい、と聞く。

 それなら閃きの条件を絞ってみたらどうだろうか。例えばモバイル機器を使った場合という限定条件を付ければ、少しは「閃き脳」がどう働くのかを解明できるのではないか、と考えてみた。

 さらにモバイル機器を使った時に、どう「閃き脳」が働いているのかを科学的に見ることはできないのか、と考えてみた。

 脳の検査装置はないものかと、あれこれ検索していると、日経BP社のニュースリリースにこんなものを見つけた。『2004年「日経BP技術賞」決定、大賞は「脳の活動状態測定技術」』 だ。そこには「光トポグラフィーを利用した、脳の活動状態を測定する手法の開発と研究」というタイトルの下で日立製作所が技術賞の大賞を受賞しており、 「赤血球が酸素と結合しているか否かで変化する近赤外線の反射スペクトルの計測によって、脳の活性部位を特定する手法。頭部に固定できる小型装置のため、 日常生活の様々な場面における脳の活動状態を測定することが可能となった」という説明がされている。また,日立製作所のホームページにも「コアテクノロジー」として、「近赤外光を頭部に照射し、その反射光によって人の認知や行動を司る大脳皮質の働きを探る技術」として「光トポグラフィ技術」が紹介されている。

 さっそく、日立に取材を申し込んだところ、新事業開発本部人間指向ビジネスユニット部長(科学・技術担当)工学博士の牧敦氏にインタビューさせていただく機会を得た。

――御社で開発した脳を計る機器とはどんなものなのですか?

牧氏 「頭皮上から光を当て、脳の表面にある大脳皮質内のヘモグロビン濃度変化を計測することで、脳の活動を可視化できる仕組みになっています。核磁気共 鳴画像装置(MRI)のように大型設置機材ではなく、半導体を使って携帯性を実現させるのに成功したのが特長と言えるでしょう。」

――その機器はどのような用途に使われるのですか?

牧氏 「人間の思考や認知機能の客観的検証を行うことで社会貢献につなげようと考え、“人間指向ビジネスユニット”と称して4人のプロジェクト活動を開始 しています。例えば、バンダイと協力して赤ちゃんの認知機能・脳活動の計測を行い、赤ちゃんの脳の発達段階に即した玩具を開発するのに役立てていただいて います。また、『黒板を使った授業』と『生徒全員の書字回答をモニタ上にリアルタイムに表示した場合の授業(生徒同士の思考の共有)』の学習効果を比較す ることで、授業カリキュラムによっては後者の方が明らかに教育効果が上がることがデータで確認できました。これは、人の視覚機能の優位性を活かすという脳 科学的な仮説から生まれた結果です。こういった事例から、例えば教育用新製品を開発する時に、“人間に良い機能とはなにか?”といった製品コンセプトから 設計するプロセスに、脳科学の知見は基本データとなるわけです。

 いろいろ実験してわかってきた例としては、例えば記憶するのには手書きがよい、とか、文字情報よりも視覚情報の方が一度に多次元の情報を認識できる、な ど、これまで感覚的にはわかるが客観性には欠けていた脳の働きを、科学的にデータ化することができるようになりました。」


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連載タイトル/掲載紙日経BP Tech-On連載 / 久保田達也のどうすりゃいいんだ
「日本の教育をどうすりゃいいんだ?」を考えてみる

 「教育ほど誰もが意見を言うネタはない、教育とはそんな簡単なものではない」とか,「教育は社会の縮図なのだから、いまさら教育だけを変えてもどうにでもなるものではない」との声が多い。

 それはそうだが,それでは何も先に進まないだろうと思うので,新しい教育を試みている学校法人片柳学園の千葉茂副理事長(日本工学院・学校長)にお話を 伺うことにした。千葉さんはいまどきのご時世に,蒲田駅周辺に都市開発かよ?!と,間違えてしまうほどびっくりするような巨大な新校舎を立ち上げた人であ る。

 まず「少子化で入学者数は減少」「不景気で教育費はでない」などと言われているように,教育産業に逆風が吹く中,なぜ新校舎を立ち上げられたのですか? と聞いてみた。

 「校舎の耐久年数もあるし,この時期だからこそ心機一転して,教育への情熱を新たに注ぎたいと思いまして」と千葉副理事はあっさりと言う。

世界へ出る日本の教育

千葉氏 「ここ数年間にいろいろ世界を回ってみて分かったことは,世界に通用する日本人の能力は,本来の器用さと勤勉によるものづくり文化にあるということです」

 世界視点で日本を見よと我々はよく聞かれる台詞だが,実際に世界を回って将来の教育を感じ取った人物はあまりいない。千葉さんはここ数年間でサウジアラ ビアを数回訪れ,日本のものづくり技術の学習教材をサウジアラビアの学校に提供するという知的財産の輸出を成功させている。


千葉氏 「サウジアラビアの石油王はほんの一握りの人たちで,それを支える労働者は近隣各国からの出稼ぎに よって成り立っているんです。しかし労働者と言っても技術があるわけではないので技術教育が必要となる。例えば石油王が世界有数の高級車を購入したとして も,故障したら修理する技術職人がいないため困ってしまうという現状なんですね。

 私が日本はものづくりだと確信したのは,サウジアラビアに出店したトヨタ自動車のサービスセンターの活躍 ぶりを見てからなんです。世界には優秀なクルマは作るが,売った後はおかまいなしの自動車メーカーが多い。しかしトヨタの看板がでている店では,最後まで 責任を持ってきちんとした修理点検をすることを怠らない。その姿勢が立派でしたね。当然それは,現地のユーザーの絶大な評価と信頼感につながっています。 日本は誠意がある国だと,国民の間には好感度が広がっているんです。地球の裏側の国でがんばっているクルマの修理技術者を見て,日本人としての誇りを感じ た瞬間でしたよ。」

 実際に世界の裏側で見た日本を,千葉氏はこのような言葉で語ってくれた。

千葉氏 「日本政府が取りもってくれたおかげもあって,自動車整備技術の教育カリキュラムをサウジアラビア の学校が採用してくれましてね。現地の学校で自動車整備技術者を育成する教育プログラムが始まることになったのです。いまや日本で培われた自動車技術は, 我々があまり縁がなかった国々で役立っているんです。今後は世界で急速に発展する国々からの技術教材の引き合いが増えると思いますよ。」

 世界に出る教育ビジョンを,このように語ってくれた。

和服が呼び寄せた国際ビジネス

千葉氏 「当初はサウジアラビアとは無縁で右も左もわからない状況だったのですが,ひょんなことで急展開し たんです。というのも初日に歓迎パーティーが催されるというので,シャレで日本の着物を着て乗り込んでみたんです。恥ずかしかったんですが。そうしたら思 いもよらぬ歓待を受けましてね。サウジアラビアの有識者からスタンディングオベレーションで迎えられ,王様のような一番偉い人が座る玉座の隣の席に座らし てくれたんです。これはキッシンジャーに次ぐ二人目の栄誉なんだそうですよ(笑)。自分の生まれ育った民族文化を大切にする人は信用できます,と言ってく れたんです。嬉しかったですね。」

 それは一瞬にして違う民族同士が打ち解ける瞬間だったそうだ。その後ビジネスの話はトントン拍子に進んだという。古来から国際ビジネスとはこうし て生まれてきたたものだし,それがおもしろくて海外に夢を求めて単身乗り込んでいった日本の若きビジネスマンがいた時代もあった。今はその醍醐味を忘れか けているように思えるのは小生だけだろうか。

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連載タイトル/掲載紙日経BP Tech-On連載 / 久保田達也のどうすりゃいいんだ
「中国ビジネスをどうすりゃいいんだ?」を考えてみる

 この不況の中,見えない明日に向けて「どうすりゃいいんだ?」とだれもが悩んでいるのではないだろうか。それを考える第一弾として経済上なくては ならない存在となった中国とどう向き合えばいいのかを考えてみた。

 しかし,私にとっては中国とはいったいどういう国なのか雲をつかむような感じで,中国そのものを脳裏に描けないのだ。たとえば物を売ったり,買っ たりしてみようとすると,誰が相手で,どんな生活をしていて,どんな価値観を持ち,何を求めているのか? といった商いの基本であるお客の顔が見えないの だ。分かっていることといえば人口13億人の国で近くて遠い国だというくらいなものなのだ。

 13億と言ってもピンとこないので,日本が13個ある国と考えてみたり,ヨーロッパの人口(約5億8000万人)とアメリカの人口(約3億 7000万人)を合体したより多い,と想像してみたりしたのだがやっぱりピンとこない。とにかく想像を超えた巨大国家だということはなんとなく分かるだけだ。

 そこでまず,中国とは何? これから何をしようとしている? 日本企業はどうしている? を知ろうと,中国に詳しい東洋証券の熊谷征男会長に,中国の現状と胡錦濤国家主席が率いる国家ビジョンをわかりやすく解説していただいた。その内容の中核をなす言葉として「中」という漢字で表してみた。それは

(1)中間層の消費活性化
(2)内陸都市の活性化
(3)内需拡大を計り世界の工場という輸出国から消費国への進展

――という「三つの中」である(後ろの二つに関しては,「内」を「中」と捉えた)。中国ニュースを「3中」でよみとくと,中国が何を目指してそうしている のか,どう向き合っていけばいいのかが分かるようになってきた。

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連載タイトル/掲載紙日経BP Tech-On連載 / 久保田達也のどうしてこうなった
Googleと日本の落差に唖然とした

 前回までの「やってみりゃわかる」シリーズで連載の途中に「電動スケボーのバッテリーに自然エネルギーを充電して移動させる」アイデアをテーマに書いた。その後、このアイデアをいくつかの日本メーカーに提案してみたが、目にもかけてくれなかった。「いやぁ、うちも不景気で締め付けがきつくなって、この件はこれ以上進めるのが難しくなりましてね」というメール返信ばかりなのだ。

 しかしアメリカ在住のGoogle関係者はまるで違った。「面白いですね、うちもこれからスマートグリッドを進めてゆくので、このアイデアは一緒にやってみたいです」とやる気マンマンのメールを返信してくれた。

 現在はGoogle社員に与えられている有名な20%ルールの一環として共同研究を始めようという段階で、当初からビジネスとして事業化を目指したもの ではさらさらない。みなさんもご存知の通り、Googleの発端は「すべての知識をだれでも学べるようにしたい」と願うことから始まって、いまでもその哲 学は変わらない。つまりキーワード検索で一発金儲けを狙って成功したわけではなく、すべてを無料化して一人勝ちしようと企んだわけでもない。新しい時代と は、こういう素朴な願望から始まるのだと思う。

 今回も同じことが言える。石油に依存しない自然エネルギーを、我々の文明に効率よく使うにはどうしたらいいか?というスマートグリッドへの情熱に 始まり、「バッテリーに蓄電して持ち歩けば電気エネルギーを有効に活用できる」と考えていた者同士がたまたま出会った。話してみると「電動スケボーにすれ ば重いバッテリーを持ち運ばないで済むから楽だよね」と意気投合した。そこで「じゃあ“バッテリーで動き、バッテリーを運び、バッテリーでエネルギーを供 給する”仕組みから機材までを、オープンで研究してみよう」となっただけのことなのだ。

 こういう仲間同士の盛り上がりには、当初から金儲けにつなげようという目先の考えはない。「電動スケボーで一攫千金」でもないし、「新型バッテ リーをヒット商品にして起業しよう」というのでもない。次世代のエネルギー社会を創造してみることに意義を感じる者同士の、創造活動でしかないのだ。電動 スケボーがどうのこうのというよりもバッテリーであればいいわけで、見た目も電池型・ボックス型など何でもよく、たまたま大容量バッテリーが5kgにもな るから、スケボーにして移動できるようすれば楽だろうということなのだ。

 ついでにその電動スケボーに(1)荷物を載せられるようにしよう、(2)iPhoneやGooglePhoneとマッシュアップしてカーナビ機能 を使えば道案内をさせられるし、自動操縦で目的地まで引率させる事もできると、前回の連載で書いた内容を伝えたところ「面白い!クールな発想だねー、ぜひ 一緒に研究を進めようよ」となっただけである。

 今のところ具体的な研究活動としては、社内のワークショップでのブレストや、スターバックスでのコーヒーブレイクの話題、ブレーン同士での Facebook、twitterを使ったコラボなど。オープンに議論され、建設的な意見構築が始まっている。もし事業化するのであれば、コラボするうち にだれかが独自アイデアを考え出し、ブレーンや技術者たちの協力を得てプロトタイプを作り出す。しばらく仲間うちで使い込みながら改良に改良を加え、「こ れでよし!」となってから、あちこちスポンサーを探してはプレゼンしまくる。それが市場に受け入れられれば、第二のGoogleの誕生だ。全行程にすれば 約2年間はかかる道のりになるだろう。


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連載タイトル/掲載紙日経BP Tech-On連載 / 久保田達也のどうしてこうなった
ハイテク・スキー
くぼたつの企画の道具箱, 夕刊フジ
 スキー板(SALOMON EQUIPE 24 HOURS+Z12)を買って、カービングスキーを試したら、ストックを使わず体重移動だけで自在にスキーができた。この板は今年の最新モデル。使われている技術素材は3Dモノコック構造、チタニウム、ファイバーコンプレックス、天然ウッドとある。
 スキー専門店員は「最近のスキー板は性能が向上したので、昔のような技術訓練なしで思う通りに雪面を滑れる。ストックはバランスを取るための道具に変わり、短いものを使うようになったんです」と言う。
 たしかに、「いったい今までのスキー修行は何だったんだ」と思うほど簡単に滑れてしまう。技術素材がスポーツや遊びを変えたのだ。足腰の弱った中高年スキーヤーも、最先端のテクノロジーによって再び若いころのアクティブなスキーを再現できるだろう。

 ブーツ(REXXAM FORTE-110)も買った。このブーツ素材も低温特性に優れ、柔軟性と反発性に富むハイブリッド樹脂などで構成されている。僕の足に合わせるセッティングをしてくれたのだが、うそみたいにピッタシ。力が直に板に伝わるので、2ランクほどテクニックがあがった感じだ。もう数年スキーはごぶさただったが、感動的な滑りができた。
 スキーのような高度なスポーツが、素人や長年ブランクのある人にもすぐにできるようになった理由は人間の体を研究した道具と、その道具を作り出したデジタル科学にある。
 いまのスポーツはバランスが重要だと言われている、昔は技術と体力だと言われていたが、体全体のバランスと体重移動が大事だという考えに変わったのだ。つまり、筋力よりも体重をうまく使う感覚でスポーツを楽しむ時代なのだ。
 そのために必要なのが、ハイテクを駆使した道具だ。ということは、生活費にゆとりのある中高年向けスポーツ環境が到来したとも言える。うれしいことではないか。昔の思い出をむなしく語るのではなく、ハイテク道具によって若かりしころに戻れるのである。
 デジタルの力は、道具以外でも威力を発揮していた。東京・原宿から新潟県湯沢町のガーラ湯沢スキー場まで2時間で行けたのだ。ネット予約の力である。しかも、ガーラ湯沢のサービスサイトにはリアルタイム映像が配信されているので天候や雪質、リフト運行状況、スキーヤーの混み具合が一目瞭然。朝にサイトをチェックし、JRのチケットをオンライン予約して出かければ日帰りでも十分楽しめる。片道5時間以上の渋滞にチェーンの脱着、長蛇のリフト待ち…、昔のアレは一体なんだったんだ。

ski.jpg 最近のスキーヤーはヘルメットをするらしい、さっそくメットとゴーグルも購入して使ってみた。
スキー場にもけっこういて違和感はまったく感じさせない。アルペンレーサーがメットファッションになっているのも影響しているのだろう。
ヘルメットしてゴーグルするとまったく年齢はわからない。まして最新技術に支えられた若い頃のスキーテクニックはまさに30年昔に戻った自分なのだ。

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スキーの説明
EQUIPE 24 HOURS + Z12     
「24HOURS」朝から夜まであらゆるシチュエーション性能。ハイブリッド・モノコック構造、3D レースフレーム採用モノコック形状。

スキーブーツの説明
REXXAM FORTE110
 素材は低温特性に優れ、柔軟性と反発性に富むハイブリッド樹脂。競技派から基礎派まで、エキスパートに贈る、データ110のハイパフォーマンスをミディアムラスト搭載したフォルテ・ラインのトップモデル。

インターのジェル素材はTPU+ポリアミド

ブーツの人間工学

ナローラスト設計
パワーをダイレクトに伝えるレスポンスと、シーンに応じて求められるフレックスをさらに磨き上げ、スキーヤーの運動を最大限に生かした、ダイナミックな滑りを実現。

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連載タイトル/掲載紙くぼたつの企画の道具箱 / 夕刊フジ
楽しく勉強するなら学習ゲームだ!
くぼたつの企画の道具箱, 夕刊フジ
 いま、「漢字」「英語」「単語帳」など通勤通学などの隙間時間に携帯の学習ゲームでお勉強、というのが市場を伸ばしつつある。
 この学習のゲーム化が加速しそうだ。最近のゲーム市場は高度化しすぎたゲーム内容と市場飽和で最近は伸び悩んでいる。そこでゲーム好きというよりゲーム感覚で勉強したいという教育市場を狙って得意のゲーム制作ノウハウを生かせば新たな市場開拓となってきたのだ。
 NHN Japan株式会社の森川社長を訪ねてその考え方を聞いてみた。

「これまでのゲームは罪悪感が残る場合があります。それに人に言うのが後ろめたいんです。昨日一晩中ゲームしてた、とか言いにくいじゃないですか。でもスポーツだと言えるし、体にいいという快感もありますよね。その論理でいくとゲームを学習ゲームにすれば快感になって新しい市場が生まれる。「漢字1級クリアーした」「単語10000覚えた」とかだと胸張って言えるようになるから健全な商品ジャンルになれるハズです(笑)」

「教育って押しつけがましいところがあって勉強が嫌いになるのはそのせいだと思うんです。それより楽しいけど役に立つクイズ型ゲームがいいですよね。」
「ところでゲームの秘訣は褒めることなんです。ある時点までできたら勲章みたいなものを出す、そうすると次もまたがんばるぞ、と続けてくれるんです」
とわかりやすい説明をしてくれる。ゲーム業界のオピニオンリーダーたちはこれまでの業界と違って斬新な感覚の人が多いのが特徴だ。

「気がついたらみんなとモンスター倒しちゃった、そしたらさりげなく褒められて嬉しかった。というユーザーが現れてくれたら大成功。コレがグループで楽しむゲーム作りの秘訣なんです(笑)」
「韓国の英会話ゲームなんか男性感覚で英語で話すといいことが待っている、でがんばる、とネタバレすれば簡単なことなんですけどね」
「Wii Fitは人に見てもらうからがんばるんですが学習ゲームにはどうかな?オセロみたいに勝負がはっきりつくゲームを学習用にしても息苦しくなっちゃう。それに比べみんなでがんばる学習ネットゲームなどの市場はこれから行けると思いますよ」

 ネットワークゲームを制作していておもしろいところはサーバーを管理しているので参加者の状況がデーターになって見えるようになっていて、みんながどこで挫けるかがわかるという。そこで挫けるポイント直前にさりげなく助けてあげる何かを用意しておいてあげる、クリアーしたら勝利の笑顔写真が登場するなどめげそうなポイントを見つけてあの手この手で褒めながらなんとか突破してもらうようにするとゲームを続けてくれるという。

「これまでだと親は子供にゲームを禁止します(しかし自分はゲームする)子供に成績がよければゲームやってよし、というのが一般的だから学習ゲームなら親が買って与え、自分も勉強するというファミリー市場もありかもしれない」と学習ネットゲーム市場への兆しを指摘していただいた。
「最近はおいしいところを早めにゲームの場面で見せていかないとさわってくれなくなってきました。ネットゲームは社会の繁栄なんです」と森川社長は社会動向も敏感に受け止めて明日を練る若き経営者である。


連載タイトル/掲載紙くぼたつの企画の道具箱 / 夕刊フジ
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