最強フォーマットは存在せず- 善し悪しはアイデア次第 (2005/02/17)
この連載では、マイクロソフトの発想支援ソフト「Visio(ビジオ)」を使って、「勝てる」企画書を作る技術を紹介している。きょうは、これまで作ってきた企画データを1枚の企画書にまとめてみよう。 ここでは、くぼたつ流「企画基本フォーマット」を作って、それに企画データを配置してみた。
企画書には「企画戦略」「事業戦略」「商品開発」「流通企画」「サービス開発」など、いろいろな種類があるが、基本はかわらない。要するに自分のアイデアを相手に理解してもらえればいい。あるときは論理的に、あるときは視覚的に、あるときは流れを重視して語りかけるように説明すればいい。一番重要なことは・あなたは何がしたいのか・独自に考え出したのはどんなことか・なぜ、その企画案が成功すると思うのかーを簡潔明瞭に表現できればいいのだ。
「最強の企画書フォーマットを教えてください」と、よく聞かれるが、そんなものは存在しない。企画書フォーマットは企画内容を表現する“箱”であって、企画の善し悪しは“中身”であるあなたのアイデアだ。つまり、どんなに豪華に見える弁当箱でも“弁当の中身がうまいか?”が重要だということだ。 企画書フォーマットに入れる基本の企業データは以下のようになる。
・ 何を企画したのか一目瞭然でわかるビジュアルデータ ・ 企画の全体像がわかる図解データ ・ 企画の構成要素がわかるための、企画の構造をマップ化したロジカルボード ・ 納得される企画ストーリーを表現するための文章(シナリオ)と映像 ・ 詳細情報や関連データを閲覧するためのリンク
これらの項目別の企画データを1枚の企画書フォーマット上に並べてみると全体のバランスがわかる。ちょうど弁当箱に具を並べてみて、味覚や栄養、彩りなどのバランスを調整するのと同じだ。その中でも、とくに独自の料理(独創アイデア)は不可欠だ。 また、企画の再編集も重要だ。企画書提出期限ぎりぎりになって泥縄式に作る人もいるが、これでは相手がまともに食える弁当はできない。何回も企画を練り直す必要がある。
Visioを使うと、再編集は簡単にできる。各項目の企画データからハイパーリンクで元のVisioデータにリンクを張っておくことで、その場でデータを呼び出せ、足らない個所を再編集できるからだ。このリンクはワードやエクセルなどの画像データ、映像などにも張ることができる。また、各項目に記載した内容が食い違うことも多いので、相互にチェックして、内容を統合する作業も必要だ。Visioで1枚の企画書にまとめると、この比較・統一がパソコンのデスクトップ上で容易にできる。
今回の参考画像 (画像掲載なし) は、これまで連載で紹介してきた企画データを1枚の企画フォーマットにまとめたものだ(赤い矢印は、それぞれのソフトとの関連付けを示したもの)。僕はこのように各データを画面いっぱいに広げて、複数の再編集を同時に進めている。

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