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アナログへの回帰〜匠の万年筆(2003/03/04)

 アナログが見直され始めている。
 だが決してデジタルやITが駄目だ、というのではない。デジタルに偏りすぎたから少し頭と心のバランスを取り戻そう、といいたいのだ。言い方を変えれば、ビジネスマン諸君!デ ジタル&アナログのバイリンガル人間になろうではないか、という提案なのだ。

 先日、新宿スクエア-ビルにある高島屋デパートの文具売り場で万年筆を買った。前から欲しかったのでショーウィンドウを覗き込むように見入っていると、店員さんが「どうぞ、お試しを・・・」というから落書きをしてみた。“いい感じ〜”なんである。指に伝わるペン先の弾力、紙に引かれるインクのにおい、指になじむペン軸のころがる感触・・・何ヶ月ぶりで心に染みる新茶を飲んだ思いがしてたまらなかった。

 で、財布を開いた。なんとなく「僕はパソコン使う人なんですよ」と恥ずかしそうに言ってみた。なぜかいまさらだけどアナログがいい、という感を含めて自己満足の境地を表現してみたわけだ。ところが

 「そうですかぁ、そういうお客様が最近多くなりました。今日はお客様で10人目です」

 と来た。
 “そうだったのかぁ、そうだよなぁ、同業者としてわかるなぁ、飽きたんだよなぁ・・・デジタル”

 「昨日おいでになったお客様は“ヤッホー”とかいう大会社のエンジン技師(?)の方で、大変ご熱心にご自分の筆圧の検査などをして、万年筆会の匠の神様に手作りの万年筆をご注文になりまして、18万円もキャッシュでポンッと」

 悔しい〜メッチャ悔しい〜むらむらと嫉妬の念がわいた。
 パソコン人間に文房具のアナログ代表である万年筆で先を越されるのがとにかく悔しかった。きっとデジタル人間の先端はアナログに返り咲いているのが最先端で、自分はその最先端なのだと快感を持ちたかったのに、出し抜かれたからだ。大人気ないとは思うがしかたがない。こうなったら今に見ていろ、もっとスゴイ巨匠にお願いして、書き味世界最高! 匠の最高傑作! 僕だけの万年筆! そんで匠がいちゃったらもう国宝! 国宝万年筆を使うスーパーネットワーカー、なんちゃってからに。

 話を戻そう。

 インターネット技術を一通りマスターした人間であることを条件にアナログの使いよさを再度確認する愛好家やクラブがこれから流行るのではないだろうか。携帯も持たず、PDAもパソコンも持たず、一冊の本を持ち、涼しげな服をきて颯爽と歩くビジネスマンに引かれる時代がくるのではないだろうか?

 かく言う僕も今年の雨季はそんなライフスタイルで過ごしてみたい。

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