:黒帯企画術 最終章 (2005/05/09)
ー企画マンに大切なのは、「ワクワク」を考え「ドキドキ」行動すること。ー
今回をもって私“くぼたつ”の連載は終了いたします。これまでの連載をご愛読いただきまして誠にありがとうございました。 冒険だ、発想だ…とあれこれ自由に述べさせていただきましたが、最後に私が本当に言いたかったことを述べて終わりにしたいと思います。
それはロマンについてです。それは私が企画マンとして30年間やってきた中で一番大切にしてきたことなのです。ロマンというのは、なにもでかい夢ばかりのことではありません。千差万別あってしかるべきだし、大きさも関係ありません。一攫千金でもいいし、天下取りでもいい。ジャンボ宝くじ1億円でもいいし、世界一周旅行でもいい。要はそれを考えると「ワクワクすること」をいつも心のポケットに入れて持ち歩いていることで“幸せだなぁ”と感じられればいいのです。
いつだったか、コーヒーを飲みながらボーッと考える時間が大切と述べたことがあると思うのですが、まさにそのボーッとした時間にワクワクを取り出してみて、ニマニマすることがやがては大成することにつながると言いたいのです。
もうひとつ「ドキドキすること」も持っていると幸せになれます。ワクワクは夢を見るときに、ドキドキは現実に行動するときに感じる生きがいのことです。「自分はドキドキすることをしているか?」と問われて「しょっちゅうしている」と答えられる人は幸せだと思うのです。こんな人はあまりいない。
上手くいくかわからないのに挑戦する時にドキドキするのですが、上手くいけば満足を、失敗すれば悔しさを思い知らされことになります。これが上達するための道場だと思うのです。そして上手くいけば、もっとがんばろう!がんばってきたことが無駄ではなかった!と喜びます。失敗して悔しければ、なにくそ!とがんばって徐々に良い結果を生んでいく。単純なようですが、そんな環境を何度も経験するだけで人間は向上していくものではないでしょうか?
なんだか小学生に説教する先生のようになってきましたが、でもこの「自分で考えて自分でやってみる」というのが意外とできない。言い換えればそれを日常からやっているのが、企画マンなのです。
ー「よく笑う」から脳が元気。そうすれば成功が見えてくる。ー
最後は「よく笑う」です。ある医者のセリフで、「よく笑うやつは、大きな病気にはかからん」というのがあります。本当かどうかは知りませんが「笑う門には福来る」はホントのところでしょう。以下は人間の意識を研究している認知脳科学者のコトバ。人間が知的な動物なのは、この「ワクワク、ドキドキ、笑う」がご褒美となって脳ががんばってきたから。知的生物でいられるのはその結果なのだそうです。ご褒美をもらう、つまり評価されることが知的生物の大好物ということなんですね。
企画というのは、脳が祭りをするようにアイデア・発想が飛び跳ねることです。ワクワクすることをぼ〜っと考えて、ドキドキしながらそれをやってみる。結果的に泣き笑いする。発想のノウハウ本なんぞを読むより、これを繰り返してさえいれば脳が元気になり、次々と新しいことを発想し挑戦し、やがては自分で立てた企画で成功することにつながるのです。キッパリ!
最後に企画の達人になるための極意を伝授します。もしあなたが企画力を向上したいならこうしなさい。 1. どんなときもワクワクすることを忘れない 2. とにかくドキドキしながら試してみる 3. いいから笑って過ごす 以上ができればあなたはもう立派な黒帯企画マンです。
NTT東日本「Solution TODAY」vol.27号掲載 発行:NTT東日本千葉支店

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