:ビジュアルプレゼンテーション (2005/05/09)
日本に3,000万人いるビジネスマンの80%が「自分には説得力がない」と思っている。 小生は「説得力を付けるにはどうしたらいいか?」と質問されると「場数ですよ」と笑い飛ばすことにしている。提案する内容の良し悪しが大切なのであって、口車如きで資金を提供する馬鹿な企業は今時ないからである。
しかし内容があるのに口下手で、埋もれた才能に終わってしまうビジネスマンが多いのも事実なのだ。そこで「ビジュアルプレゼンテーション」なる本を書いている。その趣旨は文章ではなく絵、写真、映像でプレゼンすれば相手に自分のアイデアが伝わりやすいし説得力が倍増する、というもの。要するに「百聞は一見にしかず」を実践すれば、一攫千金も夢じゃないということだ。
まずは「こんなのがいいんじゃないか…」と、利己的遺伝子の言うがままに妄想を浮かべる。そのうちに「このアイデアなら絶対受ける!」と思い込むテーマが見つかる。この時たいていの人は「所詮、自分にはできっこない」とギブアップしてしまうが、そこで重い腰をあげてでも、ともかくメモを取っておくと良い。
これから先、ビジネス社会では企画書とか稟議書とかを書くことが必要なのだが、普段書き慣れていないため“説得力ある文章”にはならず、ギブアップする。これはうまく書こう、かっこ良く書こうとするからダメなのであって、ほんとはアイデアのエキスを数行箇条書きにすればいいだけなのだ。
そこで、自分の考えに賛同してもらうための、強力な説得力が必要になるのだ。考え方を理解してもらうためには、下手くそでもいいから絵や図を描いて見せると良い。内容が良ければ相手はきっと「へぇ〜」と理解を示すだろう。
「おっ!そりゃ面白い、一口乗ろうか!」と言ってもらうにはかっこよくて綺麗な写真が効く。説得するにはBeforeとAfterの写真を見せて、あなたの妄想を論じればいいだけのことだ。参考写真は、「ある島にリゾートハウスを造ったらどうだろう」を合成写真にしてみたものだ。
a. Before b. After:近代的なクアハウス c. After:ログキャビン風クアハウス
この造り方は・・・
1.現場に行って、写真を何枚か撮る 2.あなたの妄想に近い写真を写真集やホームページから探し出す 3.画像編集ソフト(※1)を使って合成する
以上が、基本のステップ。ここまで来ると「うむむ…自分にはできそうもない」とギブアップする方も多いが、画像編集なぞはちょっとパソコンができる人に頼んじゃえばいい。ただ、あなたの妄想はあなたにしかわからないからBeforeとAfterの写真は自分で集めることだ。
ビジュアルプレゼンテーションというものは実際にやってみると自分のアイデアが形になっていく面白さもさることながら、写真を選びながら新しいアイデアが次々と沸いてくること、つまりその過程自体が楽しくて仕方なくなるものだ。
※ 1画像編集ソフト…Photoshop(アドビシステムズ)、Photoimpact(ユーリードシステムズ)等、各種画像ファイルの作成、編集を行うためのソフトウェア。
NTT東日本「Solution TODAY」vol.27号掲載 発行:NTT東日本千葉支店

|