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:公開!企画の道具箱 (2005/02/09)
最近はアイディア出しから企画書制作、プレゼンテーションまでの企画業務すべてを市販の『発想支援ソフト※1』でまとめるようになった。企画マンを30年間営んでみた視点からも、こういったソフトは企画のためのよき道具であると思う。
企画というのは「アイディアがすべて」といってよく、商品、流通、サービス・・・といったあらゆる産業で、その成功を決定する根幹をなしているものだ。だから企画マンを生業としている我輩は発想することのための環境や道具選びには神経を使う。職人と同じで日ごろの精進とよい道具選びはいい仕事をする基本的な条件である。
では実際にプロ企画マンが日常どのような発想支援ツールを使ってどのように企画業務を行っているかを解説しよう。まず、僕自身が編み出した「企画のための道具箱」を題材に企画の手順と道具の選び方や使い方についてから始めよう。
参考図1はいろいろな企画ノウハウを機能ごとに分けて、一つの道具箱のように整理して自分なりに使いやすくした例。企画が完成するとそれぞれの企画内容がまるで駅弁のようにあれこれ詰め込んだように見えるので、別名「企画の弁当箱」と呼んでいる。企画業務は煎じ詰めていると、この「企画の道具箱」さえがんばって完成させれば自ずとできあがるといえる。今回はその第一弾として『ブレーンストーミングツール』について解説しよう。
1. 『ブレーンストーミングツール』は「頭に浮かんでくる発想をどんどんまとめていく」のに便利な道具です。真ん中のドキュメントは企画のタイトルで、その周辺にあるドキュメントはこれから出すアイディアを振り分けるための分類別テーマ。企画の分類はその都度変わることが多いのですが、ビジネス企画の場合 ・商品アイディア ・流通アイディア ・サービスアイディア ・マーケティング ・技術 ・企業特性 ・・・というように分類してゆくのが一般的です 2. 各項目ごとの周辺にはさらに詳細な項目を分類しておく場合もあります 3. 三順目あたりからアイディアABCを貼り付けていくといいでしょう 4. 四順目から先はあとで思いついた追加アイディアなどを貼り付けてゆくといいでしょう 5. アイディアが出尽くしたら、情報や資料などの関連データ収集してから付け加えていきます
このように「自分の頭の中を一枚の図に並べてみる」こと、特に企画のテーマ等の核にアイディアや資料を放射状に関連づけながらまとめてゆくのが、この道具の特徴。使い方のコツとしては一度に作るのではなく、思いつくたびにドキュメントを加えたり削ったりして、再編集を繰り返して試行錯誤しながら作り上げていくのが良い。
また、最近はプロジェクトメンバーなど複数でひとつの企画を作り上げる場合には、サーバーにこのコンテンツを置いておき、メンバーのみがパスワード管理されたネットワークを使って、アイディアを入力したり情報を加えられるようにしておくというシステムがよく使われる。各自の業務時間を合理的に使え、かつ全員のアイディアが持ち寄れて誰でも編集できて、ひとつの企画を完成させてゆく。このような使い方が、従来に比べて効果的なネットワークコミュニケーション環境として、情報産業や知的創造業務に携わる関係者によく使われるようになってきている。
こうして『ブレーンストーミングツール』で出来上がった企画書は、メンバー全員がアイディア全体の構造を理解でき、各々が何の担当でどの担当と関連があるのかを認識するのに役立つ。結果、組織的なリンケージ(メンバー同士の業務での相互関連)を把握しながら、企画の実現に向けスムーズに業務を遂行できるようになる等、大きな業務改善につながるのだ。
※ 1:発想支援ソフト…企画やアイディアを効率よくまとめるためのソフトウェア。断片的な情報やアイディアを関連付け、PCの画面上にグラフィカルに図解・構造化する。アイディア・プロセッサとも言う。
NTT東日本「Solution TODAY」vol.20掲載 発行:NTT東日本千葉支店

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