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2004年をどう生きるか - 冒険家だから起業家でいられる(2005/02/07)
アドベンチャーとベンチャーは冒険という意味の同義語である。
冒険で成功するものは起業でも成功するものだ。その秘訣は少年の好奇心にある。サバイバルを生き抜く大げさなツッパリ哲学ではなく、ただそこに何があるか行ってみないと気がすまない性分がそうさせるだけなのだ。それでも生きて帰るための多少のノウハウはあるものだ。今回は2004年を「いかに仕事を冒険するか」考えてみたいと思う。
くぼたつの冒険三カ条
・ 生きて帰ること
準備がすべてである。はまず体力、技術、装備の三種の神器を万全に備えた上で出航することだ。いざことが起きてからでは、人間など自然界では何の力もない。準備してきたことが頼りの9割だ。残りの1割は生きようとする意識だがそんなものは人間誰しもあるもので、絶対絶命の場に及んでは「死んでたまるか」の執念と心臓の強さが生命力の全てとなる。特に「最後には家族を想う気持ちが助けてくれた」と生き残った冒険家達がよく言うとおり家族愛が支えてくれるので、日頃から家族を大切にする生活スタイルが大切。前人未踏のビジネスに挑戦する仕事にはぴったりのノウハウだ。
体力をつけるには日々身体を鍛え、技術(知識)を得るためには週一冊は本を読む、毎日アイディアをメモに取る、といった日頃の地道な積み重ねが大切だ。装備とは仕事を効率化するための環境設備のことだが、気をつけるのは間違ったIT化をしないことだ。実益を生まない情報設備投資は不要だ。情報力とは一人一台パソコンにすることが重要なのではなく、コミニケーションの幅を広げることが大切なのだ。世間に知れ渡ってしまった賞味期限切れの腐れ情報なんぞよりも、人とのコミニケーションをおろそかにしていては業界の先が見えない。メールは日常使うが、「本当に大切なことは電話で話すか、合って話し合う」といった、デジタルネットワークを過信しない使い分けが重要だ。
・ 未知なる発見を楽しむこと
コアコンピタンス、知的財産といった他社にない自社の独自性がモノをいう時代になった。2004年はさらにこのオリジナリティを持っているかいないかが勝ち組負け組みを大きく左右することになる。勝つためには企業内の発想、提案といった積極的な創意工夫を日常から声に出し合うことを定着させることが大切だ。つまり仕事のやり方を処理業務から発想業務に変えるのだ。といっても業務自体を変えるのではなく、考えながら仕事をする社風にするだけのことなのだ。例えば、書類業務はいかに最短時間で済ませられるかの知恵を出し合い、朝礼や会議では強制的にでもたくさん意見を言うことに慣れてもらうようにすると効果的だ。出されたアイディアは正当に評価して公開する。もしそのアイディアが実現ないしは成果をあげたらボーナス還元やアイディア懸賞金などのご褒美を必ずすることが持続の秘訣だ。
冒険の場合はまずわかっていることは何か?を洗いざらい情報を収集してから整理する。それを白地図に描いてみる。しばらく眺めているとピーーン!とインスピレーションが湧くものなので、浮かんだもの全部を記していく。それをしばらく続けていると独特の近未来像が見えてくるものだ。要はそのボーっと眺めて考えにふける時間を大切にすることが秘訣と言っていいのだ。しばらく立ち止まって現状を直視しながらのんびり物思いにふけることこそが、発想型業務なのだ。
・ 実現させること
ベンチャーの成功の鍵は熱意が一番と言われている。冒険の場合は、夢を熱く語ることがまず大切なのだ。わかっていることはコレコレとして、わかっていないことはシカジカとして公言する。そしてそのシカジカに未来がある可能性を熱く語ることから、人を惹きつけて協力してあげようという説得力が生まれるのだ。要は熱意を示すのだが、冒険のスポンサー獲得はいつもこの熱意が決め手となるのは言わずと知れたことだ。
次に冒険の現地からの報告は衛星回線を使ってリアルタイム報告をすることにしているのだが、そこが僕の独自性ということになる。衛星回線機器やその取り扱いとしてのネットワーク技術は長い年月がかかる専門知識だからだ。冒険技術や写真撮影、執筆なども冒険家がその成果を伝えるための必須技術ではあるが、それだけではなく時代にあった最新技術の導入やこれまでの時代には成し得なかったSOMETHING=アイディアを導入することで夢への実現が高まり、人々はそれを評価してくれるものなのだ。
簡単に冒険を計画する秘訣がある。
まずは、カレンダーに後先考えず好き勝手に自分のやりたいことを片っ端から書き込んでしまうことだ。大雑把に大胆に書き込んで真っ黒になるまで埋め尽くす。別に誰にも見せなくてもいいのだ、思い切って書きなぐるだけだ。
それだけで、あなたにとって2004年はきっと面白くなる!
NTT東日本「Solution TODAY」vol.17掲載
発行:NTT東日本千葉支店

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