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くぼたつ流環境論 - 環境活動におけるITの活用 (2005/02/07)
12年前に僕はICERC(オーストラリア政府公認の非営利団体)主催の「国際イルカ・クジラ会議」ハワイ大会の日本代表としてスピーチした。当時、捕鯨大国日本は鯨を取り過ぎるイケナイ国として“ジャパンパッシング”されていて、僕はその国からきた悪玉スピーカーとして壇上に上げられた感もあった。しかし僕の発表した意見とは、「日本企業はもう一度、経済とは何かを自然界に学び考え直そう」という趣旨だった。
「人類は月にまでも行ける先端科学文明を築いてきたが、なんのことはない、人類始まってからたった5万年しか歴史はない。にもかかわらず細菌兵器、温暖化、エネルギー危機、食料危機といつ人類滅亡の事態が起きてもおかしくない状況にいる。それに比べて5000万年前から生存し続けてきた鯨(イルカもクジラ目)は火を起こすライターもネットワークもコンピュータもなかいのにその種族を維持しながら生き延びてきた。我々が生き残るために彼らに一体どうやったのかを教えてもらおうではありませんか。そのために鯨語(現在76言語あたりまで翻訳できる)をもっと研究して彼らに尋ねてみよう。その答えにはきっと我々人類にとって極めて重要なメッセージがあるに違いない。そこには我々人類がこれから何をしなくてはいけないかを根本から考え直すヒントがあるはずだ」という話をした。
スピーチが終わると聴講していた400人余りの各国の学者からスタンディングオべレーションが起こった。彼らは僕を仲間として受け入れてくれ、実際に鯨と話ができる真の鯨言語学者達が翌朝4時に、私を野生のイルカと泳げる秘密の海岸に連れて行ってくれた。それから海岸に生えている葉っぱを何枚か細かくちぎり、それを巻きながら海に向かってお祈りをして、朝日の昇る海に入っていった。そして全員まるでイルカのように両手を腰に当て、ドルフィンキックをしながら300mほどの沖まで泳いでいった。沖まで来ると「海中に身を漂わせてあなたの好きな歌をハミングしてください」と言われ、そうすること10分余りでマダライルカ10頭ばかりがやってきて一緒に海中ダンスを始めた。竜宮城にやってきたというよりも、彼らの世界を訪れたマーメイドのように楽しく舞った。中には素潜り世界チャンピオンで有名なジャック・マイヨールもいた。
ジャックは日本に長期滞在することも多く、何度か一緒に日本の水族館にいるイルカやシャチと海中ダンスをしたことがある。残念なことに彼は他界してしまったが、今でも彼が海に入るとまるでイルカのように全身から喜びを放射してイルカ語で歓喜の表現をしていたのが思い出される。
ここにいくつかの環境活動のホームページを紹介するが、インターネットを利用すれば国内だけではなく世界に情報を発信することができる。国も分け隔てなく情報を共有し、一緒に活動が出来るインターネットは環境活動にとって重要な位置を占めていることがわかる。 僕にとって環境活動とは“自然界に人間が動物として身を投じること”。自らを自然に置いてみて、書類や規則が環境なのではなく、自然の中に入って自然と語ることが環境活動への道なのだ、 と心から思えるようになったのだ。
★参考サイト アイサーチ・ジャパンhttp://www.icerc.org/ FoE JAPAN http://www.foejapan.org/ グリンピース・ジャパンhttp://www.greenpeace.or.jp/
NTT東日本「Solution TODAY」vol.14掲載 発行:NTT東日本千葉支店

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